歯の知識
寝たきり老人訪問歯科診療
2016年3月1日
「歯の調子が悪くて、食べたいものを思い通りに食べられない」 「食べようと思うのだが、義歯が合っていないので痛い」「うまくかめないので食欲がわかない」。このような悩みを持っている寝たきりのお年寄りは多くおられます。寝たきりなので歯科医院へ通うことができず、また、介護する家族の人たちもどうすれば良いのか分からないのです。
市では、平成4年度から「在宅寝たきり老人等訪問歯科診療」を、市歯科医師会・歯科衛生士会と連携して実施。 現在まで、140人以上の人たちが歯科治療を受けています。訪問歯科診療を通して強く感じたことは、 歯があるということ・口の中を清潔にするということ・かみ砕いて食べるということが、いかに在宅の患者さんにとって大切であるかということでした。歯を治療してから、精神的に安定し、「食欲がわいた」「三度の食事が楽しみになった」「表情が明るくなった」「よくしゃべるようになった」という患者さんが多くおられました。
障害を持つお年よりの患者さんには、自分の障害のため、生きる意欲を失いかけている人も少なくありません。 歯でかんで食べることが、リハビリテーションの原動力になり、生きる意欲につながっていくことを介護する人は知っておいてください。