歯の知識
お口のケアと寝たきり予防
2016年3月1日
アメリカの大リーガーが、試合中にガムをかみながら、野球をしている光景をテレビでよく見かけます。これは、脳を活発に働かせて、瞬発力を向上させているのだそうです。物をかむと、脳の中を流れる血液の量が増えて脳が活性化し、このような現象が起こってくるのです。例えば、ほとんど寝たきりだった人のむし歯を治して、しっかりとかめるようにしたところ、一人でトイレに行けるようになったそうです。また、入れ歯を入れていなかった人の目立ち始めていた痴ほうが、新しい入れ歯を入れてからは少なくなったそうです。
寝たきりの人の口の中や入れ歯が、汚れたままになっていることがよくあります。また、胃の中に直接食べ物を入れる場合にも、口の中へ逆流することがあるので、口の中の清掃は欠かせません。口の中が清潔に保てると、気管などに落ち込む唾液などがきれいになり、発熱することが少なくなります。
よくかんで食べることと口の中の清掃は、寝たきりであるなしにかかわらず、大切なことです。介護が必要な寝たきりの老人などに、入れ歯やむし歯の治療が必要な場合には訪問歯科診療を行っています。また、平成13年4月からは、口の中をきれいにしたり、食べ物を口から食べたりできるようにするのは、介護保険でも行なうことができるようになります。詳しくはかかりつけ医、歯科医、保健婦などにご相談下さい。