歯の知識
歯周病と全身疾患
2016年3月1日
歯周病の最大の原因は、プラークと呼ばれる細菌の集団です。 プラークは、空気を嫌う嫌気性菌で、病原性が高く、歯と歯茎のすき間に住み着きます。「よく歯を磨いているのに歯周病になった」のは、歯茎のすき間まで清掃できていないからです。歯周病の要因にはさまざまなものがありますが、喫煙、糖尿病、骨粗しょう症、過労、睡眠不足、ストレスなども要因として考えられます。
最近では、歯周病と全身疾患との関係が解明され、歯科疾患が人の生命を脅かす疾患であることが 明らかになりつつあります。歯周病があると、感染性の心内膜炎や糖尿病になりやすいこと、未熟児の出生率が高いことなどがアメリカで発表されました。しかし、歯周病は痛みがないため、治療を受ける人が少ないのが現状です。
歯茎のすき間に歯周ポケットができると、プラークが住み着き、歯石になります。そして、歯を支えているあごの骨を溶かしていき、全身にも影響を及ぼすのです。これらのプラークや 歯石は治療を受けることにより、きれいに取り除けます。定期的な検診で予防していくことで、全身の健康を維持することができるのです。
歯が痛くなってから歯科医に駆け込むのではなく、悪くなる前から専門医による精密な検査を受けて予防していくことをお勧めします。